Tokyo Midtown Design Hub
第6回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(江戸川区・あーとコモンズ Sumi-Co)

25/05/22 REPORT : コンセプトって何?

第6回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(江戸川区・あーとコモンズ Sumi-Co)



第6 回目のテーマは、「コンセプトって何?」。
稲波校長がつまずく人が多いと感じている“コンセプト” をテーマに取り上げました。

会場は江戸川区・あーとコモンズ Sumi-Co。廃校を利用して江戸川区と東京藝術大学が運営している文化交流施設で、子育て世代のクリエイターが子どもを連れて利用できる創作・発表・交流の場づくりを目指しているとのこと。
地元江戸川区の方や前回から続けて参加してくださった方も多く、黒板の前に座ってまさに学校のような雰囲気の中での開催となりました。

【レクチャー】
これまで何度も登場しているデザイン思考のフレーム。今回は、共感/ 課題定義/ アイデア/ コンセプト設計/ プロトタイピング/ 検証の6 つのプロセスを、家具づくりを例に出しながら詳細に解説するところからスタート。
最近はこのプロセスを回すということ自体は普遍的になってきていて、色々な人が色々な切り口を作ってアプローチしてできた商品が世の中に溢れている。
これからは商品コンセプト→事業コンセプト→会社コンセプトと、いかに軸を通すかが大事だと稲波校長は考えています。コンセプトの軸を通すとは具体的にはどういうことなのか、5 つの会社の事例を使って紹介。

コンセプトはバシッと見つかるものではなく、” 商品コンセプトを考えること” と” 会社のコンセプトを考えること” をすぐに繋げることは難しい。デザイン思考のプロセス自体は早く回しつつも、腑に落ちるまでじっくりねっとり考え続けることが大事で、それは会社の価値を高めていくことにもつながると言います。

【ワーク】【発表】
今回のワークは、ずばり「コンセプトを考えましょう」。
社会課題を一つ取り上げてもらい、それをどうしたいかということから、事業と商品のコンセプトを考えてもらいました。ポイントはいかに強い軸を作れるか。

それぞれのグループ内で発表してもらい、さらに他の人のコンセプトから新しい商品のアイデアを考えるというワークにも挑戦。
各グループで特に面白かった1 案を全体で発表をしてもらいました。
米不足、円安、SNS 中毒といったタイムリーかつ一見深刻そうに思える社会課題からも、実現したらワクワクするような商品アイデアがたくさん生まれていました。

【まとめ】
いきなり、どうしよう…と考えてもコンセプトはなかなか出ないが、課題はコンセプトを考える上での入口として適していて、デザイン思考のプロセスにおいても、課題をどう見つけるかが大事。

見つけた課題をいかに自分事にして魂込めてできるか、コンセプト設計が鍵になる。
自分事になるポイントを見つけていく上でも、デザイン思考のプロセスは有効なので、イベントなどをするにしても、何でやるのかというコンセプトを意識して、方向性を整えていくと、社会に対して貫通力が強まるのでは。

最後は、会場を運営している東京藝術大学の藤崎さんからのsumi-co のコンセプトをお話しいただき、締めくくりとなりました。

【感想】
・社会課題から目を背けずに向き合って、遊び心を持ちながらみんなで考えてアイデアを出してみて、そういう考え方もあったんだと感じられることが社会人にとって大切だなと思った。

・他の人のコンセプトから商品を考えるのが面白かった。自分の考えも広がって、バラエティを増やすことができた。

・会社では自分事を言ったら負けな気がしていたが、今日は自分事でぶつけ合えたのが楽しかった。

【アンケート】
「学び合い到達度調査票」としてデザスクを通してみなさんの考えや意識がどう変わったかアンケートをとらせてもらっています。一部ご紹介いたします。