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第17回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(墨田区・SUMIDA INNOVATION CORE)

25/12/3 REPORT : コンセプトを立てる

第17回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(墨田区・SUMIDA INNOVATION CORE)



前回に引き続きSUMIDA INNOVATION CORE での開催。
“コンセプト” をテーマに扱うのは、JDP イナバデザインスクールでは2 回目になりますが、体で覚えてもらうべく、今回はワークからスタート。「新しいマグカップをデザインしてください。」をテーマに、5 分でアイデアを書き出してもらいました。

【レクチャー:コンセプトとは】
課題から入った人、面白いかな?から入った人と、デザインのきっかけは様々。
デザイン思考のプロセスは、最終的に全部のプロセスを回してもらえればどこから入ってもいいのがポイント。

出たアイデアを気づきとして、それを全体の戦略や軸に昇華させることがコンセプト設計。
アイデアで終わらせず、プロセスを回す中で、どう自分がそこに関わっていくか、自分の価値観を入れて考えていくことが重要になります。

また、いいコンセプトはスパイラル状になっているという稲波校長。
そのイメージを掴んでもらうために、2 つ目のワークへ。

【ワーク】
今度は、「新しいマグカップの” コンセプト” をデザインしてください。」をテーマに、ターゲットやシーン、ニーズ、用途と焦点を絞って取り組んでもらいました。回数を重ねることで、マグカップへの理解はもちろんのこと、売り方や伝え方などマグカップ以外の世界にも意識が広がっていくのを体感してもらえたのではないでしょうか。

【レクチャー:コンセプトを立てる=軸をつくること】
アイデアが広がったところで、デザイン思考に立ち戻り、リサーチして、観察して、いけそうかどうか検証をしていくことで軸が伸びていくイメージ。
商品の軸は、会社自体のコンセプト、さらには業界のコンセプトまで伸ばしていけるといいます。
いいコンセプトだなと思うものほど、いろんなところに手を広げて、いろんな角度から検証して、ネチネチ考えられているもの。

それゆえ、一商品ごとにコンセプトを考えるのが大変なので、大きなコンセプト( ミッション・ビジョン)を考えて、小さいところに落とし込んでいくやり方をすることが多いそう。
全く手掛かりがなければ、今日のワークのようにやっていってもらえばいいし、何かとっかかりがあるならそれから広げていくのも有効だといいます。

最後に、ツーリストサイトやコーヒーショップを事例に挙げながら、スパイラルのように軸を作ること=コンセプトを立てることの具体的なイメージを掴んでいってもらいました。

【まとめ】
なぜコンセプトをつくるのか。
ただ売るためではなく、何かのために売っていきたいと、意義のあることのためにコンセプトが重要。
広い意味でミッションビジョンも含んでいて、入れ子状態でコンセプトの中に商品や事業が入っていく。
軸に必要な周辺状況が整っていくことで、世界観がわかりやすくなるといいます。

【感想】

  • アイデア出しをしていく中で自己対話をしていく大切さを考えさせられた時間になった。
  • 一時的な刺激で消費を促しているようなことでなく、長く続くような、やっていくために利益も生み出

    せるようなものを作れるようになりたいなと、やりたいことができた。

  • ものを作るのは人の本質なので、それを経済とか今のパワーゲームの中でもやるっているのが抵抗なん

    だろうなと、いい感じの全体像を考えて、いい刺激をもらえた。

【アンケート】
「学び合い到達度調査票」としてデザスクを通してみなさんの考えや意識がどう変わったかアンケートをとらせてもらっています。一部ご紹介いたします。