Tokyo Midtown Design Hub
第23回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(港区・東京ミッドタウン・デザインハブ)

26/5/25 REPORT : 自分に活かすデザイン❶  デザイン態度ってそういうことか!カラダで学ぶデザイン態度

第23回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(港区・東京ミッドタウン・デザインハブ)



2026 年度初回は、清澄白河のリトルトーキョーでの開催。今回から数回にわたり「自分を活かすデザイン」をテーマに、自らが自由に働き生きるためのデザインをワークを通して、実際に手を動かしながら探求していきます。
この日のキーワードは「デザイン態度」。2つの個人ワークと1つのグループワークを通じて、デザインに向かう際の観察・リサーチの姿勢を深めました。

【レクチャー】
デザインをする際、「観察」がいかに大切かという話からはじまりました。仕事でも日常生活でも多くの情報を集め、取捨選択することはありますが、どこまで広く深く行えばよいのかの塩梅はなかなか難しい。そこで重要になるのが、「そもそも」に辿り着いた感覚。それは何度も経験を繰り返すなかで養われるものだと稲波校長は言います。

【ワーク①②】左脳デッサン・右脳デッサン
目の前のペットボトルを2つの視点で観察し、紙に描きました。
左脳デッサンでは10 分間、ペットボトルから気づいたことをとにかく書き出します。このワークは、デザイン態度ってそういうことか!カラダで学ぶデザイン態度「ペットボトルである」という、対象の「そもそも=当たり前」に気づけるかどうかが、肝。普段の仕事でも、長年関わってきた仕事の本質的な価値や意義は当たり前になってしまっているがゆえに見えにくくなってしまいます。その「当たり前」を問い直すパートナーがデザイナーだと稲波校長はデザイナーを事業に伴走させる価値を話します。

続く右脳デッサンでは、光と影などペットボトルと周辺との関係性を意識しながら深く観察し、細かく描き込んでいきます。真剣に鉛筆を動かす参加者。10 分が過ぎたところで、光の方向と濃淡のつけ方についてのアドバイスを受け、さらに5分間延長してのワークを行いました。
右脳デッサンでは、全体を見る大きな視点と、細かいパーツを見る小さな視点を行き来しながら描く体験します。デザインをする際の観察は、右脳デッサン的な見方をすることが多い。ここでの2種類の観察の仕方から、情報の質と量の差を参加者のみなさんは経験しました。

【レクチャー】デザイン態度
ここまで、「そもそも」に至る観察、全体とパーツと視点を使い分ける観察のワークをし、今日のキーワードとなる「デザイン態度」の要素「そもそもと問う姿勢」と「システム思考で考える(全体をシステムとして捉える視点)」を体験してきました。
レクチャーではデザイン態度を語るうえでの、2つの歩き方が比喩として紹介されました。
地点Aから地点Bまでのどのような足跡を辿るのか。最短距離でBへ辿り着く「侵略者」と、ぐるぐると渦を描くように周辺を歩きまわりながらBへ辿り着く「アマゾンの原住民」。アマゾンの原住民の方は一見無駄が多く感じられるけれど、Bに到着する頃には環境知識を熟知し、AからBに至るたくさんの道筋を得られる。
デザイン態度はこのアマゾンの原住民の歩き方に近い。全体を捉えながら「意味づけ」と「自覚」を持ってデザインすることの大切さが語られました。

【ワーク③】新しいマグカップのデザイン
この日の最後は、各テーブル毎に2~3人のグループに分かれて、「新しいマグカップをデザインする」ワークを行いました。素材・使用シーン・文化的背景・未来像など、あらゆる方向からリサーチを起点にデザインを提案します。各グループとも活発で和やかな雰囲気でワークに取り組んでいました。
発表では、ユーモアを軸に使用者の行動に注目したグループ、感情表現ツールとしての再定義したグループ、マグカップの起源への立ち返り、その意義を強調しようと試みたグループと、参加者それぞれの切り口からデザインが生まれました。

【まとめ】
今回持ち帰ってほしいこととして、

・侵略者の歩き方ではなく、アマゾンの原住民の歩き方を
・「デザイン態度」を持ってデザインをする

この2つが伝えられました。大切なのは、目の前の問いの奥にある「そもそも」が何か。観察やリサーチはそこに辿り着くための道です。さまざまな視点や、最短・直線以外のアプローチの選択肢を持って、何度もこの道を進んでほしいと思います。

【感想】

  • まさかマグカップがそんな方向に。雑談の中でアイデアが出てくるのが面白かった。
  • 課題解決から入るのではなく、面白さを起点に考えることへスイッチできたのが発見だった。
  • 今いる会社は侵略者の歩き方が多く、過程を重視しない環境にしんどさを感じていた。アマゾンの原住民になるためにはどうしたらいいか、が今日の問いになった。
  • 遠回りが一番の近道。くだらないことを考え続けたいと思った。

【アンケート】
今回の「自分に活かすデザイン❶」に参加しての感想のアンケートをとらせてもらいました。一部ご紹介いたします。