
26/7/22 REPORT : 「みえないデザイン」から「みえるデザイン」にどうつなげるか❷
第29回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(港区・東京ミッドタウン・デザインハブ)
- 更新日:2026.08.14
- タグ:JDPイナバデザインスクールトーキョー
今回のテーマは引き続き、テーマは「『みえないデザイン』から『みえるデザイン』にどうつなげるか」。デザイナー以外にも多様な職種、業界の参加者と、色や形といった「みえるもの」の背後にある目的や意味をどう設計し、具体的な形へと落としこむかをワークを通し、深く学ぶ場となりました。
【レクチャー】
講義の冒頭、稲波校長はデザインの役割を「今までにない答えを出すこと」と定義しました。
現代において、単に目にみえる形を整えるだけでは成果を上げることが難しくなっていることから、その形を支える「みえない部分」の設計、すなわち広義のデザインが重要視されています。
稲波校長が提唱するのは、複数の要素を整理しシンプルかつ本質的な答えを導き出す「統合的思考方法」です。特に、道具の機能や品質といった「物的価値」を、その先にある「意味的価値(情緒的・社会的な意味)」へと引き上げていくプロセスの重要性が説かれました。
具体的な事例として紹介された海苔のリブランディングでは、「100 年先にのりをつなげる」というミッションを掲げ、既存のイメージから意図的に色や形をずらすことで、新たな価値を市場に提示したプロセスが語られました。稲波校長は、概念や既存の手段を問い直し続け「物の輪郭を溶かす」ことで、目的に基づいた新しい形が生まれるのだと強調しました。
【ワーク】東京のランドマークのリノベーションを含めた未来の都市開発企画
ワークショップでは、「2045 年に老朽化を迎える都市の象徴的なランドマークのリノベーションを含めた土地開発プロジェクト」という、実践的かつ壮大な課題に挑戦しました。参加者はこの架空のプロジェクトで大手デベロッパーのプロジェクトチームの一員になりきり、デザイン思考のプロセスを体験しました。
まずは「観察」から。稲波校長は「全人格・全人生をかけて観察してほしい」と呼びかけ、「自己的観察」「環境的観察」「本質的観察」という3つの視点からリサーチを進めるようアドバイスしました。
続く「目的設定」と「企画」では、集まった膨大な情報から手がかりを見つけ、それ以外を一度「手放す」ことで、新しい地平を描こうと取り組みました。各テーブルでは、既存の建築、プロジェクトに取り組み会社自体をどう捉え直すかについて、悩みながらも懸命に取り組んでいる様子でした。
【発表】「その目的は?」
約1時間のワークの後、参加者の4つの班それぞれから、建物やエリアの文脈を読み取り、昇華させたユニークな案が発表されました。
これらの発表に対し、稲波校長は「なぜそれをするのか?」と繰り返し投げかけ、「手段を目的化せず、その先にある本質的な意味的価値をどう設計するか」というデザインの上流工程における鋭いフィードバックを送りました。参加者は、目的設定とそれをブラさずに突き詰める難しさ含め、デザイン思考のプロセスを体験していました。
【まとめ】「みえないデザイン」と「みえるデザイン」のつながり
稲波校長は「目的(みえないデザイン)が正しく設計されれば、そこから導き出される企画(みえるデザイン)は自ずと尖ったものになる」と締めくくりました。
大切なのは、言葉の一つひとつを精緻に選び、自分たちらしい独自の「目的」を立てること。その目的が羅針盤となり、具体的な形へと一貫性を持って繋がります。そして社会に新しい価値を提示できることが伝えられました。
【感想】
・前回の内容を振り返って、自分の中にデザインの感覚が定着していなかったことに焦りも感じました。けれど、今日のワークを通じてまた一歩、デザインの感覚を持つことに近づけた気がします。
・「目的を具体的に設定することで、企画が形になってくる」という話が非常に腑に落ちました。自分の人生や仕事にもこの考え方を活かしていきたいです。
・「輪郭を溶かす」という言葉が印象的でした。頭の中がぐちゃぐちゃになりそうでしたが、本質を掴むプロセスを体験できよかったです。
・ここ数回連続で参加していますが、毎回新しい発見がありました。特に「手放す」ことの重要性を今回は実感しました。
【アンケート】
今回の「『みえないデザイン』から『みえるデザイン』にどうつなげるか❷」に参加しての感想のアンケートをとらせてもらいました。一部ご紹介いたします。



