Tokyo Midtown Design Hub
第25回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(港区・東京ミッドタウン・デザインハブ)

26/6/4 REPORT : 自分に活かすデザイン❷ 使いこなそうデザイン思考1

第25回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(港区・東京ミッドタウン・デザインハブ)



今回のテーマは「デザイン思考」。特に、デザイン思考の5つのプロセスの 1 つ「観察」を中心に体験的に学び、アウトプットまでを行う、盛りだくさんな内容の回となりました。

【レクチャー】デザインプロセスのはじめの1歩「観察」

講義の冒頭、稲波校長はデザインをする上でのスタンスである「デザイン態度」と、「デザイン思考」のプロセスの両方を、同時に回す重要性を語ります。とりわけ強調されたのが、デザインプロセスの起点となる「観察」の大切さです。稲波校長は、効率を重視して最短距離で目的地へ向かう「侵略者の歩き方」に対し、周辺の環境をすべて把握しながら渦巻き状に遠回りして進む「アマゾンの原住民の歩き方」を例に挙げました。

現代の企業活動は「侵略者」になりがちですが、既存のモデルが通用しなくなった時、圧倒的に広い見地から状況を探る「アマゾンの原住民」のような観察が、新たな知恵を生む鍵となります。


【ワーク①】3つの観察

ワークの課題は、「時計(時を計る道具)のデザイン」。時計を視野を広げて観察するため、今回は「自己観察」「環境的観察」「本質的観察」と3つの視点から観察をするワークをしました。

その際に稲波校長からは、「全人格、全人生をもって観察してください」とのアドバイスが。自分の価値観や哲学をベースに据えることで、アウトプットに独自性が宿るといいます。

個人ワークの「自己観察」に苦戦する様子の参加者も見受けられましたが、グループで話し合いながら行う「環境的観察」「本質的観察」では、複数人ならではの多様な視点が出てきました。


【ワーク②】「目的設定/意味付け」「企画アイディア」

そして本日の山場、「観察」から「目的設定 / 意味付け」をし、時計のデザインの「企画アイディア」というアウトプットをグループで考えていきます。観察で浮かび上がってきたいくつかの要素から、目的を考え、アイディアを膨らませ、足りない部分があればまた観察に戻ったりと「アマゾンの原住民」的な思考プロセスを体験していきました。

最終的な発表では、その日に行った健康診断から着想した方、チームでの話合いから時を忘れるためのイベントを考えた方たちなど、面白いアイデアが次々と出てきました。これらのアイデアが単なる要素の足し算ではなく、グループワークを通じて一つの概念に統合されていくプロセスを、それぞれの参加者が経験できたようでした。

【まとめ】

ワーク後、稲波校長は「観察で集めた膨大な情報を、目的が見えてきたら手放すことが大事だ」と語りました。目的を達成するがゴールであって、観察して得た情報に執着しない。また、観察のプロセスは逐一記述して残しておくことで、迷走した時の解決の糸口やデザインを物語る文脈をつくるのに役立つといいます。

今回の 1 番のメッセージは、「デザインの起点は、広くて深い領域からの観察にある」ということ。観察は個人の価値観がベースにあり、その人やチームのフィルターを通して要素が統合されることで、それまでとは違う新しいもの・ことが生まれます。

【感想】

・観察を体験して自分のことがよく知れたと感じました。
・要素を足し合わせれば正解というわけではない、という点が一番響きました。本質を考えることの難しさと面白さを実感しました。
・アマゾンの原住民のような「遠回りの観察」を記述しておくことで、整理できたり、次に使えたりするという学びがありました。
・観察フェーズで言葉にするのが大変で、思考停止になりそうでしたが、他の方の知識や考えが非常に参考になりました。

【アンケート】

今回の「使いこなそうデザイン思考1-自分に活かすデザイン❷-」に参加しての感想の一部ご紹介いたします。