Tokyo Midtown Design Hub
第27回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(港区・東京ミッドタウン・デザインハブ)

26/6/22 REPORT : デザイン思考にできること ビジネスに活かすデザイン❷

第27回「JDPイナバデザインスクールトーキョー」を開講しました(港区・東京ミッドタウン・デザインハブ)



「ビジネスに活かすデザイン」の第2回目を六本木・デザインハブで開催しました。今回のテーマは「デザイン思考にできること」。今回もデザイナーだけでなく、まちづくり、IT、エネルギーなどの業界から多様なバックグラウンドを持つ参加者が集まり、「今までにない答え」を導き出すデザイン思考を体験的に学びました。

【レクチャー】直線的思考から統合的思考へ

稲波校長はデザインの役割を「“今までにない答え” を出すこと」と定義しました。そのための手法として、デザイン思考の5つのプロセス「観察・探索」「目的設定」「企画・アイデア」「プロトタイピング」「検証」が紹介されました。

特に強調されたのが、プロセスの起点となる「観察・探索」の重要性。
自分の価値観に向き合う「自己的観察」、対象物の文脈や背景を掘り下げる「本質的観察」、その事柄の周辺を探る「環境的観察」という3つの視点から得られる情報が、答えのもとになります。
ここでは、相手のニーズだけでなく、それを扱う「自分」という存在を前提に置いて観察を進めることが大切です。

また、プロセスを進めていくと、自分自身の固定観念が揺らぐ瞬間が訪れます。
これはデザインの過程で必ず通る「通過儀礼」のようなものです。「そもそも」を問うプロセスを経て、対象への認識が揺らいだときこそ、これまでにない価値が生み出せると語られました。

【ワーク】デザイン思考

グループワークでは、1 人が「課題提供者」となり、他のメンバーがデザイナー役となってその課題を深掘りしました。参加者はまず 30 分間「観察」に集中し、単なる情報収集に留まらず、課題提供者の個人的なエピソードを引き出しながら対話を重ねました。

続く時間で、「目的設定」「企画」までを行います。稲波校長からは、一箇所だけを深掘りせず、全体を俯瞰しながら進める「システム思考」を意識するようアドバイスが送られました。

【発表】当たり前が揺らぐ

発表のなかでは、対話を通じて「自分のなかの当たり前が揺らぐ」瞬間があるグループからありました。

「散歩の良さを伝えたい」をテーマにしたグループで、「散歩は自分の足で歩くもの」という固定観念が議論のなかで崩れていきました。メンバーからの「時速4kmで景色が移ろうなら、車椅子での移動も散歩と言えるのではないか」という指摘を受け、課題提供者は「散歩に対する考えが広がった」と語り、そこから独自の企画が生まれました。

既存の枠組みへの揺らぎや疑問を乗り越えてこそ、新しい提案に辿り着けます。稲波校長は、その過程で「自分のなかの小さな声」に耳を澄ませ、何を感じているかを自覚することが、独自の目的設定に繋がると説きました。

【まとめ】

対話によって自分のなかの固定観念を一度揺らし、その上で自分にしかできない目的設定を行うこと。何度も思考を更新し続けることが、社会に新しい価値を提示するストーリーに繋がっていくというメッセージが伝えられました。

大切なのは、対話によって自分のなかの固定観念を一度揺らし、その上で自分にしかできない目的設定を行うことです。何度も思考を更新し続けることが、社会に新しい価値を提示するストーリーに繋がっていくというメッセージが伝えられました。

【感想】

・散歩について1時間も考えたのは初めてで、新しい発見がたくさんありました。同時に、自分の中で散歩が何なのかわからなくなりましたが、その「問い」が生まれる感覚が楽しかったです。

・概念が揺らぐことが不可欠という話にハッとしました。現代アートの「概念崩し」との共通点を感じ、興味深く聞くことができました。

・自分のまとまらない話をしっかり聞いてもらい、問いを投げかけられることで、自分でもわかっていなかった「嫌だ」という感情や言葉が整理されました。

・これまでは自分が持っていきたい方向に理由を探してしまいがちでしたが、他人の声に触発されて浮き上がってくるものを検証する面白さを知りました。

【アンケート】

今回の「デザイン思考にできること -ビジネスに活かすデザイン❷-」に参加しての感想のアンケートをとらせてもらいました。一部ご紹介いたします。